SES・準委任フリーランスの月額案件、請求から入金までの間を埋める方法
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SESや準委任の月額案件は、毎月の稼働が安定していても、入金は締め日から1か月ほど先になることがよくあります。その間に、税金や保険料の納付、生活費の支払いが重なると、手元の資金が足りなくなることがあります。
この記事では、請求から入金までの間が空く理由と、その間を埋める方法を説明します。法人宛の月額請求書を使う方法も、条件とあわせて紹介します。
この記事のポイント
- SES・準委任の月額案件は「月末締め翌月末払い」などで、稼働から入金まで1〜2か月空くことがあります
- 間を埋める方法には、支払日の相談、融資、請求書買取(ファクタリング)などがあり、それぞれ短所もあります
- 国内の法人宛で、請求額10万円以上、申込日から支払期日まで60日以内の月額請求書は、Paywellの対象になります
ファクタリングの仕組みや、2社間・3社間の違いは、個人事業主のファクタリングとは:仕組みと2社間・3社間の違いで詳しく解説しています。
SES・準委任で入金まで間が空く理由
間が空く理由は、月単位で締めて請求し、そこから支払サイトの分だけ待つ仕組みだからです。支払サイトとは、締め日から実際の支払日までの期間のことです。
準委任契約は、成果物の完成ではなく、業務を行うこと(稼働)に対して報酬を払う契約です。SESや月額の業務委託では、1か月の稼働時間を締めて、翌月初めに請求書を出す流れが多くあります。
たとえば「月末締め翌月末払い」の場合、10月1日から働いた分の入金は11月末です。月の初めに働いた分から数えると、入金まで2か月近くかかります。「翌々月払い」なら、さらに1か月先になります。
税金・保険料の支払いと重なりやすい
個人事業主は、住民税や国民健康保険料、国民年金保険料などを自分で納めます。所得税の予定納税や消費税の中間申告が必要な人もいます。納付の時期は、届いた納付書や通知書で確認してください。
こうした納付の月と、入金の月がずれると、帳簿上は売上があっても、手元のお金が足りない状態になります。稼働が安定していても起こるのは、この時期のずれが原因です。
フリーランス・事業者間取引適正化等法の支払期日
2024年11月1日に、フリーランス・事業者間取引適正化等法(正式名称:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が施行されました。従業員を使用する発注事業者が、従業員を使用しないフリーランスに業務を委託する場合などが対象です。
この法律では、発注事業者は、発注した物品等を受け取った日から数えて60日以内のできる限り早い日に報酬の支払期日を設定し、期日内に支払うこととされています。また、業務の内容・報酬の額・支払期日などの取引条件を、書面等ですぐに明示することも求められています。
自分の取引が対象になるか、支払期日が適切かは、取引の形によって変わります。くわしくは次の資料や相談窓口で確認してください。
なお、法律で支払期日の上限が決まっていても、その期日までの間に資金が必要になることはあります。次の章で、間を埋める方法を比べます。
請求から入金までの間を埋める方法
方法は大きく4つあります。それぞれに向いている場面と短所があります。
| 方法 | 内容 | 向いている場面 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| 支払日の相談 | 取引先やエージェントに、支払日を早められないか相談する | 相談しやすい関係がある | 応じてもらえるとは限らない |
| 手元資金の積み立て | 毎月の入金から、納付用のお金を別口座に分けておく | 次の納付まで時間がある | 今すぐ足りないときには間に合わない |
| 金融機関の融資 | 銀行や日本政策金融公庫などから借りる | まとまった資金を長めに用意したい | 手続きに時間がかかることがある。返済が続く |
| 請求書買取 | 法人宛の請求書を売って、支払期日前に代金を受け取る | 請求書は出したが、入金前に資金が必要 | 手数料は融資の金利より高くなりやすい |
月額案件では、毎月ほぼ同じ金額の入金があるため、納付月を先に把握して積み立てておくのが基本の対策です。それでも間に合わない月に、ほかの方法を検討するとよいでしょう。
月額の請求書がPaywellの対象になる条件
国内の法人宛に出した月額の請求書は、次の条件に合えばPaywellの対象になります。申込者は法人・個人事業主です。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 申込者 | 法人・個人事業主 |
| 請求先 | 国内の法人(SES企業、エージェント、発注元の事業会社など) |
| 支払期日 | 申込日から支払期日まで1〜60日以内 |
| 請求額 | 10万〜1,000万円(初回のお取引の上限)。最低額は請求額に適用します。請求書の一部だけを買い取る場合があり、そのときの買取額は10万円を下回ることもあります |
| 原契約 | 業務委託契約書、取引基本契約、注文書、発注メールなどで取引の内容を確認できること |
SESやエージェント経由の案件では、請求書の宛先はSES企業やエージェントの会社であることが多くあります。宛先が国内の法人であれば、ほかの条件と同じように確認します。
支払期日まで60日以内かを確認する
対象になるのは、申込日から支払期日まで60日以内の請求書です。「月末締め翌月末払い」なら、請求書を出した時点で多くは60日以内に収まります。
「翌々月払い」などで支払期日まで60日を超える場合は、その時点では対象外です。日数を数えて、60日以内に入ってから申し込んでください。
次のような請求書は、Paywellでは対象外です。
- 個人宛の請求書、個人間の取引
- 給与(雇用契約にもとづく給料)
- 外貨建ての請求書、海外の会社宛の請求書
- 契約に譲渡禁止特約(請求書の代金を他人に譲ることを禁じる取り決め)があるもの
- 業務委託契約書・注文書・発注メールなどの原契約を確認できないもの
- 相殺・返品・紛争がすでに発生しているもの
- 他社へ譲渡済み、または他社に申込中のもの
SESや準委任の契約書には、譲渡禁止特約が入っていることがあります。申込の前に、契約書の「権利の譲渡」などの条項を確認してください。
必要書類と手数料の計算例
申込には、次の書類をPDF・JPEG・PNGで提出します。
- 買い取ってほしい請求書
- 代表者の本人確認書類
- 入金先口座の入出金履歴
- 原契約一式(業務委託契約書、取引基本契約、注文書、発注メールなど)
- 確定申告書(個人事業主)、決算書(法人)。開業したばかりで確定申告をまだしていない個人事業主は、確定申告書の代わりに開業届
- 同じ請求先と継続して取引している場合は、過去の入金の証跡
- 納品・完了の証跡(任意。稼働報告書や作業報告書など)
手数料は買取差額10%を基本に、審査で決まります。振込手数料は申込者の負担で、買取代金から差し引きます(他行宛145円、PayPay銀行は無料)。
以下は計算の仕組みを示すための例です。実際の手数料は審査で決まります。
| 項目 | 金額(例) |
|---|---|
| 月額の請求額 | 700,000円 |
| 手数料(10%の場合) | 70,000円 |
| 振込手数料(他行宛の場合) | 145円 |
| 受け取る金額 | 629,855円 |
入金は、契約成立と振込先口座の登録から3銀行営業日以内です。平日10〜19時の申込で、必要書類がすべてそろっていれば、最短で申込当日の入金になります。
月額案件で使うときの注意点
月額案件は毎月請求書が出るため、続けて使いやすい面があります。そのぶん、次の短所に注意してください。
- 毎月使うと、手数料が利益を圧迫します。例のように月70万円の請求で10%なら、1か月で7万円です。納付が重なる月など、必要な月に絞るのが現実的です
- 手数料は、融資の金利より高くなりやすいです。時間に余裕があるなら、融資も比べてください
- 取引先から入金があったら、その代金はPaywellへ渡すお金です。生活費などに使わないよう、口座を分けて管理すると安心です
- Paywellは原則2社間(請求先に通知しない形)ですが、審査により請求先への通知・承諾をお願いする場合があります
- 償還請求権は原則ありません。取引先の倒産など、お客様に責任のない回収不能では買戻しを求めません。ただし、請求書が実在しない場合や、譲渡禁止特約・二重譲渡を申告しなかった場合などは、規約にもとづき買戻しとなります
よくある質問
SES企業やエージェント宛の請求書でも申し込めますか?
宛先が国内の法人であれば、ほかの条件と同じように確認します。契約書や注文書で、請求先と取引の内容を確認できるものを用意してください。
翌々月払いの請求書は対象になりますか?
申込日から支払期日まで60日以内であれば対象です。60日を超える場合は、60日以内に入ってから申し込んでください。
契約書に譲渡禁止の条項がある場合はどうなりますか?
譲渡禁止特約がある請求書は対象外です。また、特約があるのに申告しなかった場合は、規約にもとづき買戻しとなります。申込前に契約書を確認してください。
まとめ
SES・準委任の月額案件は、締め日と支払サイトの仕組みで、稼働から入金まで1〜2か月空くことがあります。まずは納付月を把握して積み立て、足りない月に支払日の相談や融資、請求書買取を比べてください。国内の法人宛で、請求額10万円以上、申込日から支払期日まで60日以内の月額請求書は、Paywellの対象になります。手数料は融資より高くなりやすいため、毎月ではなく必要な月に絞って使うのがおすすめです。
※フリーランス・事業者間取引適正化等法に関する記載は、2026年10月20日に公正取引委員会の特設サイトと東京労働局掲載のリーフレットで確認しました。
※記事内の条件は2026年10月20日時点のものです。