建設業の一人親方

建設業の支払いサイトが長い:元請の支払いが翌々月・60日後のときの資金繰り

公開日

建設業の支払いサイトが長い:元請の支払いが翌々月・60日後のときの資金繰り

元請の支払いが「月末締め・翌々月末払い」で、工事が終わってから入金まで2か月近く待つ。その間にも材料費や外注費、生活費の支払いは続きます。この記事では、建設業の支払サイトの仕組みと期日までの日数の数え方、支払サイトが長いときの資金繰りの方法をまとめます。

この記事のポイント

  • 支払サイトは「締め日から入金日まで」の期間。翌々月末払いなら約60日になる
  • 建設業法には下請代金の支払時期に関する決まりがあり、契約内容と合わせて確認できる
  • Paywellは、申込日から支払期日まで60日以内になった国内法人宛の請求書が対象

ファクタリングの仕組みや、2社間・3社間の違いは、個人事業主のファクタリングとは:仕組みと2社間・3社間の違いで詳しく解説しています。

建設業の支払サイトとは

支払サイトとは、請求の締め日から、実際に代金が振り込まれる日までの期間のことです。建設業では、元請が月末で請求を締め、翌月末や翌々月に支払う形がよく見られます。

支払条件 締め日から入金までの目安
月末締め・翌月末払い 約30日
月末締め・翌々月10日払い 約40日
月末締め・翌々月末払い 約60日
月末締め・3か月後末払い 約90日

作業から入金までは支払サイトより長くなる

実際には、作業をしてから入金までの期間は支払サイトより長くなります。たとえば月初に終わった工事は、月末の締めまで約1か月待ち、そこから支払サイトの期間を待つことになるためです。翌々月末払いなら、作業から入金まで最長で約3か月かかります。

元請の支払いが遅くなる理由

元請自身も、発注者(施主)から代金を受け取ってから下請に支払う流れになっていることが多くあります。発注者からの入金が出来高や完成引渡し後になると、下請への支払いもそれに合わせて後ろにずれます。元請の社内で請求書を確認・承認する手続きも、日数がかかる原因になります。

建設業法の支払期間の決まり

建設業法には、元請が下請に代金を支払う時期についての決まりがあります。主な内容は次のとおりです(建設業法/e-Gov法令検索)。

  • 第24条の3第1項:元請が出来形部分や工事完成後の支払いを受けたときは、その支払いを受けた日から1か月以内で、かつできる限り短い期間内に、下請代金を支払わなければならない
  • 第24条の4:元請は、下請から工事完成の通知を受けた日から20日以内で、かつできる限り短い期間内に、完成を確認する検査を終えなければならない。検査後に下請が引渡しを申し出たときは、原則として直ちに引渡しを受けなければならない
  • 第24条の6:元請が特定建設業者の場合、下請代金の支払期日は、引渡しの申出の日から50日を経過する日以前で、かつできる限り短い期間内に定めなければならない。ただし、下請が特定建設業者である場合や、資本金が政令で定める額以上の法人である場合は対象外

これらの決まりは、元請の種類(特定建設業者かどうか)や、元請が発注者から支払いを受けた時期によって当てはまり方が変わります。翌々月払いがそのまま法律に反するとは限らないため、気になる場合は契約書を確認し、各地方整備局や都道府県の建設業担当窓口に相談してください。

支払サイトが長いときの資金繰りの方法

方法は、支払サイト自体を短くするか、入金までの間をほかの方法でつなぐかの2つに分かれます。

方法 費用 向いている場面 短所・注意点
支払条件の交渉 かからない 継続して取引している元請 応じてもらえるとは限らない
前払金・出来高払い かからない 工期が長い工事、材料費が大きい工事 契約前に決めておく必要がある
融資(日本政策金融公庫・銀行など) 利息 前もって準備できる運転資金 審査と手続きに日数がかかる。返済が続く
請求書の資金化(ファクタリング) 買取の手数料 発行済みの請求書があり、期日前にお金が必要 手数料は融資の金利より高くなりやすい

まずは支払条件と契約を確認する

費用がかからない方法から検討しましょう。締め日や支払日を変えてもらえないか、工期の長い工事なら前払金や出来高払いにできないかを元請に相談します。上で紹介した建設業法の決まりも、話し合いの前に契約内容と照らし合わせておくと役に立ちます。

融資は早めに準備する

日本政策金融公庫や銀行・信用金庫の融資は、ファクタリングより費用を抑えやすい方法です。ただし審査と手続きに日数がかかるため、支払いが迫ってから申込むと間に合わないことがあります。支払サイトが長い取引が続くと分かっているなら、運転資金として早めに準備しておくのが向いています。

請求書を期日前に資金化する

ファクタリングは、元請に出した請求書(売掛債権=まだ入金されていない請求書の代金)を売り、支払期日より前にお金を受け取る方法です。返済の予定は生まれませんが、買取の手数料がかかります。一人親方の方が使う前に確認したい点は、一人親方がファクタリングを使う前に確認することでも説明しています。

Paywellの対象になる請求書:期日まで60日以内

Paywellでは、申込日から支払期日まで1〜60日以内の請求書が対象です。支払サイトが60日より長い請求書も、期日まで60日以内になった時点から申込めます。

期日までの日数の数え方(例)

9月30日締め・翌々月末払いの請求書(支払期日は11月30日)で考えます。以下は日数の数え方を示すための例です。

申込日 支払期日までの日数 期日まで60日以内か
9月30日 61日 60日を超える
10月1日 60日 60日以内
10月20日 41日 60日以内

計算は「支払期日の日付−申込日の日付」です。月をまたぐときは、申込月の残りの日数に、期日までの日数を足します。10月20日の申込なら、10月の残り11日と11月の30日を足して41日です。60日前後でぎりぎりになる場合は、数日おいてから申込むと確実です。

買取条件の一覧

項目 条件
申込者 法人・個人事業主
対象の請求書 国内の法人宛で、申込日から支払期日まで1〜60日以内
金額 請求額10万円〜1,000万円(初回のお取引の上限)。最低額は請求額に適用します。請求書の一部だけを買い取る場合があり、そのときの買取額は10万円を下回ることがあります
手数料 買取差額10%を基本に審査で決定。振込手数料(他行宛145円、PayPay銀行は無料)はご負担いただき、買取代金から差し引きます
入金 契約成立と振込先口座の登録から3銀行営業日以内。平日10〜19時のお申込みで必要書類がすべてそろえば最短即日
契約方式 原則2社間(元請に通知しない方式)。審査により、元請への通知・承諾をお願いする場合があります
償還請求権 原則なし。元請の倒産など、お客様に責任のない回収不能で買戻しは求めません。ただし請求書の不実在、譲渡禁止特約や二重譲渡の不申告などは、規約に基づき買戻しとなります

次のような請求書は買取の対象外です。

  • 申込日から支払期日まで60日を超える請求書(60日以内になれば申込めます)
  • 個人宛の請求書、個人間の取引、給与にあたるもの
  • 外貨建ての請求書
  • 元請との契約に譲渡禁止特約があるもの
  • 原契約(取引基本契約・注文書・発注メールなど)を確認できないもの
  • 相殺・返品・紛争がすでに発生しているもの
  • 他社へ譲渡済み、または他社に申込中のもの

必要書類

請求書、代表者の本人確認書類、口座の入出金履歴、原契約一式(取引基本契約・注文書・発注メールなど)、決算書(法人)または確定申告書(個人事業主)が必要です。開業したばかりで確定申告をまだしていない個人事業主の方は、開業届を提出してください。同じ元請と継続して取引している場合は、過去の入金の証跡もご用意ください。納品・完了の証跡は任意です。いずれもPDF・JPEG・PNGで提出できます。

支払サイトが長い請求書を資金化するときの注意点

期日前にお金を受け取れる一方で、手数料の分だけ受け取る額は請求額より少なくなります。

  • 手数料は融資の金利より高くなりやすく、毎月続けて使うと利益を圧迫します
  • 手数料は審査で決まるため、契約前に見積もりの内容と受け取り額を確認してください
  • 2社間の場合、支払期日に元請から入金された代金は、契約に沿ってお支払いいただく必要があります
  • 支払サイトの長さそのものは解決しないため、支払条件の見直しや融資の準備と並行して考えましょう

よくある質問

翌々月末払いの請求書は申込めますか?

申込日から支払期日まで60日以内であれば申込めます。月末締め・翌々月末払いの場合、締め日の当日だと60日を超えることがあるため、期日までの日数を数えてから申込んでください。

支払期日まで90日ある請求書はどうなりますか?

申込時点で期日まで60日を超えている請求書は対象外です。日数が経って、期日まで60日以内になった時点から申込めます。

元請の支払いが建設業法に反しているか分かりません。

元請が特定建設業者かどうかや、発注者からの入金時期によって当てはまる決まりが変わります。契約書を確認したうえで、地方整備局や都道府県の建設業担当窓口に相談してください。

申込から入金まではどれくらいですか?

契約成立と振込先口座の登録から3銀行営業日以内です。平日10〜19時のお申込みで必要書類がすべてそろえば最短即日です。

まとめ

建設業の支払サイトは翌々月払いなど長くなりやすく、作業から入金まで2〜3か月かかることもあります。まずは契約と支払条件を確認し、建設業法の決まりも参考に元請と相談しましょう。入金までの間をつなぐ必要があるときは、融資の準備や請求書の資金化を比べて選んでください。Paywellでは、国内法人宛で期日まで60日以内になった請求書が対象です。

※建設業法の条文は2026年10月20日にe-Gov法令検索で確認しました。

※記事内の条件は2026年10月20日時点のものです。